わたくしたちは子供達の集える遊園地の番人であるはず
時間がイレギュラーな回転を始める瞬間、山
間を共鳴する一戸建ての流木が立ち急いで反
り返る。カドミウムの泡をかぶり、原子炉の
嘔吐に念じて、反芻させる。憲法を束ね、生
き様をさらして微笑む蛍が行き交っている。
うろこ雲がため息をついて薄い水色のデッサ
ンを始める。荘厳な柱に映し出された人影を
温かく抱擁して、ソーソーリー。悲哀も反省
もなく、劇場化された跡地に手のひらを添え
る。花を添える。ようやく、自然に花咲き、
人憩い、蝶が舞う花の園。守り続けるために
何人も遊園地の番人になることを望んでいる。
( 詩と思想 土曜美術出版販売 2017.03. )