アフロディーテ

愛と憧れと欲望に

秘められて

ヴィーナスが誕生する時

アフロディーテを想起する

一方で

女性としての、何物も

寄せ付けぬ誇り高さを持ち

一方で

抱きしめれば

粉々になる程の儚さを持つ

女性は母性だけでなく

アフロディーテのような

二面性がなければ

その魅力に気づかれない存在

かもしれない

表面的な美と内面的な審美性

美しくありたいと願う装飾

それだけなら通り過ぎてゆく

車のヘッドライトの眩しさ

審美眼を持たない心は

鏡には映し出されない困惑

愛と憧れと欲望に秘められた

ヴィーナスこそが真の女性像

それは古代ギリシャの時代から

不変の真理

ヴィーナスと魔女を

見分けられない男は

暗闇に沈んで魅力を失い

ヴィーナスと出会えた男は

テーブルでワインを飲む