キューピットの弓
キューピットの弓といえば、
恋の成就と一対一対応に思われているが
ギリシャ神話をたどってみると
必ずしも
美談とは言い切れないことが分かる
・
世の中には、そういう風に
良いように解釈する話が結構ある
・
それはそれでいいと思うけれど
元々どんな逸話があって
そこから現在受け入れられている話に
すり替わっていったかを知るのも
悪くはないだろう
・
よく知られている言葉には
別の意味が隠れていることを
常に考えておく必要があるようだ
ロマンチックな気分が
薄れてしまうきらいはあるけれども
紹介してみよう
・・・
ある時、
アポロンが
エロスの持つ弓の小ささを
からかった
・
怒ったエロスは
アポロンの胸に
「恋に陥る黄金の矢」を打ち込み
ダフネの胸に
「恋心を消し去る鉛の矢」を射った
・
アポロンの一方的な恋する気持ちを
ダフネは受け入れることができない
そんな恋が始まる
・
アポロンはダフネを追う
ダフネはアポロンから逃げる
アポロンが
追いかければ追いかけるほど
ダフネは彼を嫌って逃げていった
・
ダフネは
アポロンの求愛から逃れるため
河の神である父のペネイオスに
木にしてほしいと頼み
月桂樹に姿を変えしまう
・
ダフネを失ったアポロンは
その気持ちを忘れないために
ダフネの木の葉で冠を作り
それを常にかぶったという