サスライ

静寂な空間に

ふと気付くと

言葉が消え

人影も薄暮の情に

見えなくなってゆく

寂寥な間隙に

埋め合わせるものは

見あたらず

放浪の旅にでも

出ようか

地図を持つこともなく

心の向かうまま

旅に出よう

きっと

湯けむりの漂う

あの街へ

黄色い花が咲いている

あの河原へ

そのときに想うだろう

時は新しい言葉で

塗り替えられ

景色は透明な言葉で

違って見えることを

未来への時間旅行が

言葉を生み出し

わたくしを

新しくしてくれることを