赤い星の黙示録
確か、あれは
蠍座の一部
赤く輝く
アンタレスか
神秘的な目印が
流れてゆく
何故だろう
流れてゆく
瞬く間に
蜘蛛の巣に
囚われの身となった
アンタレスなら
織りなす罠を
焼き尽くして
天空に戻るだろう
ところが
色あせて
サファイアの塊に
落ち着いてしまった
蜘蛛の巣で
戯れを見つけて
宇宙にいるよりも
蜘蛛の
えじきになることを
選択した
それほどの愛が
蜘蛛の巣の片隅に
存在していた
アンタレスの意思は
変わらなかった
サファイアの輝きは
きっと、
愛の重さ
満天の夜空に輝く
星々を
羨ましいとは
想わない