シロクマ・サーファー

流氷に取り残された

シロクマは

氷のかけらの上で

ぼんやり遠くを見ていた

 

エサになるような生き物は

いないだろうか

 

人間が

地球をむさぼりすぎたせいで

氷は少しずつ

溶けてしまったのだ

 

このまま何処まで

流されていくのだろう

 

次に友達に会えるのは

いつなんだろう

 

シロクマは不安と焦燥感で

お腹が一杯になった

頭の中が真っ白になった

 

考えてみても仕方がない

今更どうにもならない

 

シロクマは開き直って

溶けつつある氷の上で

サーフィンすることを

思いついた

 

波は一つも来ないのに

それでも

自分をサーファーだと

考える事にした

 

シロクマたちの間で

流行っていた曲を

口ずさみながら

 

サーファー気分で

海水の上を流れていった