シンデレラ・ハネムーン

ウエディングドレスを纏った女性は

結婚直後は夢のように幸せで

現実感の薄い時期を過ごすのかもしれない

魔法のおかげで

一時的に幸せな時間が流れてゆく

シンデレラの物語

そう考えるのは女性だけ。

男性はガラスの靴を

履くことはできない

A Cinderella moment

before the clock strikes twelve

魔法は時間と共に解けてしまうことが

わかっているのに盲目的に陥る罠

愛は金を食うという現実を隠して撃たれた

キューピットの毒矢

やがて

シンデレラは

ガラスの靴のサイズが合わなくなり

王子様気取りにしてもらった男は

非難の矛先

お互いにあるいはどちらか一方に

大した価値がないことに気づく

全ては

いつの間にか頭の片隅に

いいように作り直した思い出として

埃をかぶるが

他人への自慢と自己称賛のために残してある

確かにシンデレラの元々の意味は「灰かぶり」

愚かなる人間は

それでも種の保存のために

シンデレラ・コンプレックスと対峙して

よくわからない幸福とかいうものを求め

生存競争を生きながらえる。

こんなこと

若者達に話したら

人類は絶滅してしまうだろう

(いや、もう気づいていよう)

サンタクロースの幻想は

正体が明かされても

そのまま生き残るのに

現実を突きつけられると

強く批判を浴びるものだ

「無知の知」をしらしめた

かの、ソクラテスへの

同情の念が絶えない

本当のことを話せば

排他されるのが世の常

シンデレラの本でも読んで

幻想を求めていよう

あれ自体は何度読んでも

いいナラティヴだ