セピア色の影

セピア色の影が横たわっている

きっと恋をしているのでしょう

落ち葉が引き詰められた絨毯に

レフレインが聞こえてくるよう

色褪せた思い出が遠ざかっても

セピア色の影には大切な欠片が

寄り添って色彩がときおり蘇る

輝いた頃の面影は記憶の縁から

こぼれ落ちようと髪を揺らして

セピア色の影との出会いを望む

まなざしでぼんやり眺めている

セピア色の影も輝いていた頃の

面影に聞いてみたいことがある

恋って、どんな色をしているか

きっと答えるでしょう、恋はね

セピア色なんだ、気づかない恋

色彩を考える余裕などないんだ

自分自身がいちばん分からない

そんなものさって話してあげる

セピア色の影が横たわっている

きっと恋をしているのでしょう

そっとしておいてあげましょう