タクシー

タクシーに乗るわ、雨の日に

 

右のシートに 荷物を置いて

行き先告げるのも 慣れてしまった

 

わたしったら、うつむき加減に

スマホを覗いて

飽きたら窓の外を眺めてる

 

繰り返される

道路沿いのイルミネーション

オブラートに包まれて

モノクロームな色彩

 

 

あの頃も

タクシーに手をあげた、雨の日に

 

右のシートにはあなたがいて

行き先も言わなくて済んだ

 

あたしったら、

あなたの手をそっと触って

ぎゅっと握りしめてくれるのを

待つだけでよかった

 

そのぬくもりに飽きることもなく

窓の外に興味もなく

ただあなたの肩に寄り添って

ときおり横顔 眺めてた

 

繰り返される

道路沿いのイルミネーション

それも、あなたが教えてくれた

きれいだねって

答えるだけでよかった

 

あたしにはすべてがあなた色

 

 

今日は雨、

わたし、あたしったら

傘を広げてあなたを待っている

あなたとタクシーに乗るために

あなた色の景色を見るために

 

 

Stay with me.

I love you.

今なら

素直なままで