ディープ・パープル
夕陽を探していただけなんだ
空一面に見たこともない
透明な紫色の水晶が
飾られていた
ディープ・パープル
僕はその言葉を思い出した
空の色がディープ・パープルで
いいのかどうかわからない
だけど、僕はそう名付けたんだ
とにかく、いつもと違う空なんだ
高貴でさ、きれいでさ、
眼も心も一瞬にして
取り込まれてしまったんだ
体中がさあ、
ディープ・パープルに
染まってさあ、
紛れもなく僕は
ディープ・パープルになったんだ
いつからか見失っていた
心の色だと直観したんだ
悲しくはないさ
ただ、尊くてまぶしくて
愛おしいんだ
心の色がそんなふうなら
鳥になって飛べそうな気がしたんだ
僕はさあ
本当は鳥なのかもしれない
飛び方を忘れていただけなんだ
今なら飛べそうな気がするんだよ