デ・ジャ・ブ

デ・ジャ・ブだろうか

以前みた夢が蘇る

 

それはわたくしを

歓喜に包む

 

それはわたくしを

絶望に落とし込む

 

本当に

以前みた夢なのだろうか

 

現実は傘を差さず

非現実は傘を差す

 

行ったこともない場所

行ったはずの場所

 

通ったことのない道

毎日通っていく道

 

一の次は二のはず

三がなければ四がこない

 

そういうことに

美しさを感じることもあれば

窮屈さを体感し眩暈に

さいなまれることもある

 

ありきたりな精神病理ではなく

フラクタルな世界に生きていれば

誰しも常識的な判断の中で

あくびをし、居眠りを興じる

 

つつましいアサガオなら

日没が近づけば花びらを閉じ

夜露に濡れた不快さを

日の出とともに払拭する

 

わたくしの情感に似て

デ・ジャ・ブが錯綜する