パレード
パレードの行列から
離れてみた
薄暗いビルとビルの
合間の路地を通り過ぎて
別の大通りに出た
人工的に作った小川が流れていた
昔から川があったのだろうかと
考えているうちに
記憶の入った
過去にまみれた箱の中に
手を突っ込んで
かき回しているような
錯覚とめまいがした
現実が過去をぶら下げて
幻のパレードが川の中を進んでいった
光と影
どこからか不協和音が届き
たまたま持ち合わせていた
メモ帳を川に投げ込むと
まだ書きこみのないページが開かれ
五線紙に不協和音が刻まれていく
まもなく五線紙は川の水ににじんで
きれいな行進曲のメロディーに
変わっていった
まぎれもなく
パレードが始まろうとしていた