プラットホームの裏側で

夜空に輝く銀色の駅

プラットホームの裏側で

待ちわびる感傷

 

列車は来るはずもないのに

人の往来は続く駅

 

線路すらない銀色の駅には

約束の時間だけがある

 

改札口は長い廊下をすぎて

短い階段を降りたところにある

 

ひとりだけしか通過できない

 

そのあと

銀色の駅は

夜のとばりの中へ

煙に巻かれてゆき

幻影を残したまま

色彩を失っていく