マグリットの画集

わずかに日常との交通を持ちながら

実はそれをカットしてしまうような

シュールレアリズムの香りがする詩的描写が

ベルギーの芸術家ルネ・マグリットの魅力

僕はそう考える

彼の絵を眺めているだけで

詩が浮かんでくる

ところが

それを書こうとすると

頭の中から全ての言葉が

逃げてゆく

何も書けなくなってしまう

彼の罠に仕掛けられて

勝手な解釈が許されない

迷宮で戯れているウサギのような

気分にさらされてしまう

彼は世の中に存在する謎を

我々に投げかけながら、

答えを教えてはくれない

謎解きではなく

謎を謎のまま受け止める

彼の作品は

奇妙な体験を

経験させてくれる