ミイラ

尊き人間は

ミイラになって

保存され

何百年もの間

宝箱のような棺の中で

身動きも出来ない状態で

封印される

 

興味を持つのは

考古学者くらいのものだ

 

ミイラになって

夜中にドアのベルを

鳴らした友達がいた

 

バイクであぜ道から

滑り落ちて

田んぼにはまったらしい

 

興味を持つのは

そのとき部屋にいた

5,6人の仲間たち

くらいのものだ

 

初見の驚きと

いきさつを知れば

興味は消えてしまう

ミイラも消えてしまう

 

ミイラに良し悪しはない

ミイラになるいきさつだけに

関心が集まる

 

ミイラってなんよ