ヤドカリもいないのに

太陽が昇るところへ

いきたくなる時がある

太陽が沈むところへ

いきたくなる時がある

北を進もうとは考えない

南に進もうとは考えることがある

寒いところは好きになれない

暖かいところが好きに決まっている

なのに

太陽が沈むところへ

いきたくなる時がある

夕日の沈む砂浜

自分しか知らない

とっておきの場所

誰にも教えたくない

人間を信用しろとでも?

自分しかわからない

あの砂浜

誰にも教えることはないだろう

膝を抱えながら

傷ついた心を癒やすのは

握りしめては通り抜けてゆく砂と

静かな波の音

他に何かあるだろうか

思いつかない