二十三時の踏切音

遠い空から降ってくる

踏切の音

二十三時の最終が

通り過ぎる合図

 

夜半の

透明な空気の振動に

紛れ込んで

今日も訪れる

 

疲労感を詰め込んで

まぶたが重力に

逆らえない

そんな情景を連れてくる

こわばりのほどけた音

 

終着駅まで

あと何回

鳴らすのだろう