人間の証明

飲み干された後

ストローを差し込んだまま

置き去りにされた

プラスチック製のカップ

 

誰が飲み干したのだろう

どんよりした雲が吸い上げて

空っぽにしたのだろうか

 

少し風が吹けば

カップも空を飛び

ストローと別れを告げて

麦わら帽子のように

くるくると回転を重ねながら

遠くへ、遠くへと

見晴らしのいい景色の中に

消えてしまうのかもしれない

 

蓋をぶら下げたストローは

竹とんぼのように舞い上がり

いずれは地面に突き刺さって

独楽になる

 

もうしばらく

風が悪戯をしない時間を

ひとり悦に入って

虚構の戯れに

身を置いていよう

 

13779477201276