夜景
幽閉された
高台の古城から眺める景色は
雲に包まれた青い月
ゴーゴーと
風が泣いている
草木がゆれ、
季節外れのつむじ風が
私を迎えに来た
私は風に乗り
気が付くと
高速を走る車の列を眺めていた
雲と同じくらいの高さから
見えるのは
赤やオレンジ色の点が連なる
あまりにも小さな車の流れだった
すがすがしい風が続いている
少し顔を上げてみると
海が見えた
私は
風に巻かれたまま
広々とした海の上を
歩いていた
このまま
どこまで行くのか
わからなくて、うれしくなった