大と小と

大きな岩が

道の斜面に沿って

転がってゆく

大きな岩は

果てしなく転がって

いろんなものに

ぶつかったり

綺麗な花を

踏み潰してしまったり

一面、面倒や迷惑に

さいなまれているのかも

しれない

それでも

段々と小さくなってゆく

途中でひび割れて

壊れて動かなくなる岩も

あるだろう

雨が降ったり

地震が来たり

あるいは

たまたま見つけた人が

転がしてくれたりすると

中程の大きさの岩は

もう一度、転がり始めて

いくらでも小さく

なっていくだろう

転がり続けられれば

小さくても綺麗な形が

整えられる

ゴツゴツとした大きな岩は

綺麗な形をした小石に

姿を変えていくと

親指と人差し指で

つまみ上げられて

人から

大切にされるようになる