天使か悪魔か
白い車の上を歩く
緑カマキリの必然性
補色も間に合わない
急ぎの理由が羽の下に
隠れている
重い体を支えるようにして
木の枝まで飛べば済むはずの
タイミングを逃して
さまよっている
身軽になれば好きなところへ
羽ばたくのか
その前にオスの一匹でも
食らって
消耗した体力を
回復してしまえばいい
白い車の上すら歩く
緑カマキリは
必然性に拘束されながら
さまよい続ける他なかった
考えていることは
一仕事終わった後の
オスの首筋を
かっ切ったときの
なんともいえない満足感