奨学金

奨学金の返済完了証が届いた

うれしいとか

ほっとしたとか

そういう感慨とは無縁だった

むしろ

一抹の寂しさ

役割がひとつ減ったことに

残念な気持ちだった

一つの真理として

「借金こそが資産」

そういう言葉がある

奨学金の返済完了証には

喪失感が取り巻いていた

身の回りで

ひとつ、ひとつ

片付いていくものがある

むしろ、せいせいして

過去から解放され

新しい靴をはいて

歩けることを

快く受け入れよう。