存在しない存在

存在していたが

存在しなくなった

オブジェが

姿は見通せないのに

変わらず存在している

新しい建築物が

その場を占拠しているが

オブジェの残像が

間違いなく

同じ場所を占拠している

誰にも見えない

わたくしには見える

だからその場所を

通って存在を享受する

AURAとでも

いうのだろうか

存在しない存在は

もともと存在していた

ロジカルな破綻はない

形而上学的思考かもしれない

ロゴス的な思惟によって

認識しているに違いないと

実存を想起する