季節外れ

風呂場の入り口で

バッタにばったり出会った

 

この時期に幻かと思ったが

こちらに気づいて

プチッと音を立てて

飛び跳ねた

 

黒っぽい色をした

それなりのバッタだった

 

そっと大事に両手に収め

家の外に離してやった

 

やはりプチッと音を立てて

飛び跳ねていった

 

これからどうするのだろう

 

感慨にふけりながら

タオル一枚の自分に気づき

バッタより

寒さに弱いのだろうかと

風呂場へ戻った