孤高のジプシー

砂漠の中を

一人さまよっている

 

あなたはどこを

目指しているのですか

 

あなたはなにを

しようとしているのですか

 

照り注ぐ太陽の暑さに耐え

砂の嵐に目を細め

暗闇の冷徹さに身体をすくめて。

 

目的と言われると

特に思いつかず

 

何をしているのか

と言われても

特に何をしているわけでもなく

 

あえて言うなら

北極星を横切る流れ星を

眺めて、それを未来と信じ

 

背負った過去から

逃れようと

しているだけかもしれない

 

それでも

自由なんだ

 

孤高にジプシーでいることが

やけに

自由なんだ

 

そう言い残して

砂漠の中へ姿を消した

 

あの孤高のジプシーは

 

いったい、どこを

いったい、なにを

 

さまよっているのだろうか