尖っていた感情

高校時代だろうね

尖った感情で生きていたのは。

何かと

いちゃもんつけて

ソクラテスみたいに

「無知の知」を知らしめたいと

自分がひねくれるための

大義名分にしていた。

たとえば、

体育で短距離走の授業

先生に詰め寄る

「先生、決まった距離を

出来るだけ短い時間で走るのを

競うのは、速いと言えるんですか」

「どういうことや」

「そもそも、速度って

単位時間あたりに進む距離でしょ。

だから、10秒間に何メートル走れるかなら、

速さを競うことになるけど、

陸上競技って、そうじゃないでしょ」

「屁理屈言うな。難しいことを、

わしに言うな。出席にしとくから、

学食に行って飯でも食っとけ」

「わかりました」

そんな、感じの悪い高校生だった。

今なら、あり得ないだろうけど

そんな時代だったと、

時代のせいにしておこう