心が帰ってゆく景色

東洋を見聞して

考える。

どこからが東方と

いえるのだろう

地球儀に鉛筆で

線を引けるだろうか。

心が帰ってゆく景色がある。

それは

湯布院の露天風呂から眺める

由布岳の穏やかさ。

形も色合いも優しい

あの景色に

心が自然に帰ってゆく。

青い空や湯けむりと

溶け合って

からだじゅうの緊張感がほどけ

心があらゆる束縛から解放され

穏やかに世界を俯瞰している。

鉛筆で線を引く必要も無い。

心が帰ってゆく景色は

あの青い空と湯けむりの中で

待ってくれている。