恐怖の時間
自分の部屋に戻った
明かりをつける前に
雨がよく降るものだと
窓の外を眺めていた
向かいのマンションの
階段の踊り場に
何かが動いている
影のような物としてしか
みえない
大きめの犬が鎖につながれて
おとなしくしているのだろうと
想像した
ところが
シーソーのような
動きをしている
人間が具合悪くて
倒れているのだろうか
そんな風にも見えるが
声ひとつしない
勇気を振り絞って
レースのカーテンを
少しだけ開けてみた・・・
開いたままの傘が
ひっくり返って
風に揺れている
だけだった
全く見当違いの
恐怖に満ちた空想
でも、ほっとした