悪夢

恐ろしい夢を見た。

誰かから

恨まれたり

誹謗中傷を受けたりする

夢だった。

あまりにも怖くて目覚めた。

目覚めて考え直した

身に覚えはない。

誰かが

勘違いしているか

ねたんでいるか

わたくしの知らないところで

そういう気持ちを元々持っている

何者かが

何かわたくしの弱みを握った途端

ここぞ、とばかりに

具体性も論理的根拠もない内容を

強い口調で

言いがかりを付けている

夢なのだろう。

自分の胸に手を当てて

神様仏様に背くことが

ないことを確かめた。

恐ろしい夢は

放置しておこう。

夢の中で

わたくしを責める

ものたちは

いずれも匿名の

おそらくは

人間のようなものに思えた。

そんな下らぬ夢に

気分はさえないが

放置しておこう。

真実を知り

愚かしい無礼な失言に

気付く時が来るだろう。

わたくしは普段通りに

珈琲を飲む。

感情の揺らぎすらない。

本当に、つまらぬ悪夢を

見てしまったものだ。

かなり疲れているのだろうか。

悪夢で人間不信に陥るのは

全くもって絵空事。

苦笑するほかない。