惜別

仲間の旅立ちは

寂しい

浜辺でこしらえた

砂の城のように

いつの間にか

波が運んで

いってしまった

有から無

表情や仕草や

言葉までもが

一瞬にして

見えなくなった

人間は

つくづく

寿命を生きるものだ

有から無へと

回帰する為に

彼は

波になった

海になった