懐中時計

懐中時計が

謎めいた時を刻む

 

シンプルな装飾の

鎖をたどって

ポケットから出す

 

アンティークな金色の光沢

 

開けた瞬間から

クリーム色の背景の中

長針と短針が

秒針を見守っている

 

いつの時代の時を

刻んでいるのだろう

 

過去なのか

現在なのか

未来なのか

謎めいた時を刻む

 

自分はどこにいるのだろう

戸惑いのカオスが訪れる

 

それでいて

焦燥感はなく

むしろ安堵と心地よい時間が

流れている

 

懐中時計は

ふところに閉まっても

謎めいた時を刻み続ける