捜し物

ある夏の日

少年の僕は川で釣りをしていた

ところがどうも

集中できない

理由は分かっていた

川底にガラスのかけらのようなものが

まぶしく輝いていたからだ

あのガラスのかけらのようなものは

一体何なのだろう

釣りはいっとき中断して

川に潜ることにした

まぶしく輝く何かの

正体を突き止めるためだ

川は浅くて流れが速かった

さいわい首まで浸かって

手を伸ばすだけで届いた

プラスチックでできた

水色のヒツジのおもちゃだった

「期待したのにこんなもんか」

川の近くの山道に投げて

釣りを再開した

しばらくすると

別の小学生の数人が通りかかり

「すごいぞ、宝物発見や」

大喜びして走って行った

魚を釣ることを楽しもうとする小学生

宝物探しを楽しもうとする小学生

捜し物は千差万別

あなたの捜し物はなんでしょうか