旅の空から

ここは何処だろう

温暖な南国の孤島

名前さえ知らない

頬に潤いを与えて

聞こえるのは波音

感じるのは風響き

スコールが降って

過去の記憶が消え

つまらない日常の

わだかまりを失い

咲き誇る今の感性

カメレオンの緑色

あまりにも青い空

あまりにも青い海

際限のない白い雲

鳥のエチュードに

鼓膜を傾けながら

海に片足をつける

明けては暮れゆく

太陽の恵みに近接

畢竟、自然に溶け

旅の空を遊戯する