曇りガラス

遠いノスタルジーなら

思いだせるのに

遠い記憶の糸なら

辿ることができるのに

ありきたりな日常が

当たり前で

意識しない日々は

夢遊病みたく

街を通り過ぎる車を

見過ごしてしまうように

いつの間にか

目の前のありがとうに

気付かなくなってしまった

人の心を傷つけることに

気付けなくなってしまった

愚かしい自分からの

ありがとう

愛している

のメッセージは

もう届かなくなって

何もかも失って

しまうのかもしれない

そんな時、空を見上げる

雨、雨、雨

雨雲に覆われた空が

心に突き刺さる

濡れたままの心の扉は

錆びついて開かなくなる

雨に唄えば

雨が雪に変わって

真っ白な世界に包まれるだろうか

空の様子が心象を

こんなにも映し出すとは

知らなかった

白銀の世界で無邪気に

雪合戦の真似事でもしてみようか