月の彼方へ

特に何も考えず

ぼんやりと

空を眺めていると

 

たどり着けない

距離があることに

気がついた

 

見えるのに

届くことはない

月の彼方

 

住んだこともなく

過去に

失った場所でもなく

恒久に

存在しない場所でもない

 

青い微笑みもなく

水面に映し出すと

船の上から

後ろを振り返った時の

波しぶきのように

 

語りきれない

せつなさに

胸が熱くなってゆく

 

月の彼方へ

 

月の彼方よ