朝もや

朝もやの中を

透明な衣服を身につけ

歩いていた

 

小川のせせらぎが

響いている

 

透明なピアノで

奏でた音のように

 

朝もやが掃けて

いなくなる前に

蜘蛛の糸で

上着を織りこんで

冷えた肩を暖めよう

 

そう想いながら

朝もやの中を

散歩していた

 

小川のせせらぎは

まだ響いていた

 

透明なピアノで

奏でた音のように