未完成な、ひとかたまり

気がつくと、ひとり
物心ついてから久しく
いつも、心の中が、ひとり

足らない自分を補うものは
どこにあるのだろう
不安なときも、ひとり
誰かに助けを求めても
何かにすがろうとしても

心の中が、ひとりぼっち

未完成な自分の一部を
自分で埋めることはできない
湿った風がその部分を
通り過ぎていく

気がつくと、ひとり
物心ついてから久しく
いつも、心の中が、ひとり

心の中は誰にも頼れず
じぶんひとり、で生きている
一度くらい、無条件に
何かに甘えてみたい
そんな心象は儚き幻影

寝るときも、ひとり
目覚めるときも、ひとり
いつも、ひとり

心の風景を物語っても

湿った風が流れているだけ

ひとり、が道なき道を歩いている

未完成なひとかたまりとして