森がため息をついていた
森がため息をついていた
いつの間にか伐採が進み
森に暮らしていた友達が
少しずつ、時には一気に
見当たらなくなっていた
・
人間は身勝手な生き物だ
見ず知らずの杉を植林し
太陽の光を集めるために
得体の知れないパネルを
張り詰めて森の生態系を
破壊しても人類の利益を
最優先に考え続けている
・
どうかこれ以上、不文律
を唱えて、共生・共存を
無視するような発想など
やめていただきたい、と
森はため息をついている
・
森はため息をついている
海もため息をついている
空もため息をついている
・
地球上で自然は淘汰され
人類もその上に淘汰され
後に残るのはため息のみ
・
かつての「青い地球」は
「ため息星」と呼ばれる
相手にされない星として
宇宙に浮遊するだけの、
誰も住めない星になる。
