治してあげる

そりゃあ、経営も大事だろう

しかし

お金儲けを第一に

開業医をしているわけではない

医療には

別の尊い意義が含まれている

開業医である前に

僕はただのちっぽけな医者だ

そう思っている

何のための医者なのか

それは

治してあげたいという

不退転な心の核が

あるからだ

診療点数を稼ぐために

必要なはずの抗生剤を処方しないとか

儲けにならないからといって、

迅速検査を2つ以下に抑えるとか

必要な場合のアレルギー検査をしないとか

そんなこと、

できるわけがない

自腹を切っても仕方がないと覚悟している

必要だと考えればするし

必要でないと判断すれば、しない

私の小児科としての

唯一の判断原則を支えているのは

診療点数なんかじゃなく

目の前のこの子供が

自分の子供だったら

どうする?

検査する?しない?

お薬は必要なものを揃えているか?

それだけだ。

どう治してあげようか

それだけ考えて

白衣を着る

その気持ちが薄れてしまったら

白衣を脱げばいい

仕事は

医者以外にいくらでもあるだろう

患者に、

もちろん自分に、

嘘はつけない

僕はまだまだ

白衣を着て

治してあげたいと

思い続けている

それ以外は

どうでもいい

白衣を着て

目の前の子供達を

治してあげたい

それだけ。