流転する自我

あなたはどうしているでしょう

投函した手紙が戻ってきました

渋谷のスクランブル交差点辺り

取り残されたロンリーシャドウ

解体作業に追われる心の歯車に

挟まれて動けない一羽のカラス

夏の浜辺の思い出に変えようと

太陽にお願いして雨のち晴れの

気球に乗って青空をかき分ける

そうそれで気が済むに違いない

まばゆいほどの光を浴びながら

成層圏を越えそうになった所で

気球とお別れして重力の誘いに

ひらりひらりと空中から海まで

浜辺が恋しくなってしまったら

思い出に真っ青な幕が引かれる

テーブルの上に置いてある封筒

なんの封筒だったっけとゴミ箱

あなたって誰。これから出会う

艶っぽいメイキャップシャドウ

きっとそれってわたしのことよ