海を渡って

ひとけのいない砂浜に

冷たい潮風が通り過ぎていく

髪をなびかせる海の向こうに

何があるのでしょう

 

あなたはいるのでしょう

 

エアメールを握りしめて

海の向こうを眺めている

心のつぶやきは届くはずもない

 

できるのは

足もとの砂にイニシャルを描く

ことだけ

 

もう一言・・・

言ってくれたら

もう一度

抱きしめてくれたら

 

海を渡って

海を渡って

 

この砂浜に

わたしの足跡が

残ることも

なかったでしょう

 

幸せって、

意地を張って

自分の足跡を残すことではなく

握りしめた手のぬくもりを信じて

相手の気持ちに溶け込んでしまうこと

 

そう、

海を渡って