深夜特急

深夜特急に乗り込んだ

客室には、たった一人

他に誰もいない

 

車窓から見えるのは

満天の星たち

車窓が反射して

現実を映し出すこともない

 

きら星を眺めながら

過去を回想しようとするけれど

何一つ思い出せない

 

深夜特急は

未来を駆け抜けている

 

気がつくと

肩にぬくもりを感じていた

そして暖かな手を握りしめ

眠りについた

 

行き先は

知る必要もない

 

穏やかな未来