湯けむり

湯けむりの

白い漂い

 

絶え間なく

溢れ出す

源泉のたたく音

 

筋肉が弛緩し

心象が溶け

現実から

開放される

 

空を眺めると闇

無限の距離を

保っているよう

 

星がなくても

感情に触らない

 

いつの間にか

わたくしという

煩わしい存在は

意識する必要も

なくなっていく

 

湯けむりの

流れの中で

自己の修復が

たたずんでいる