狩人

降り出した雨に

想い返す

あなたのこと

 

降りしきる雨に

さえぎられた

記憶の糸

 

いつしか

たどり着いた場所

あてどなくつづく

道の果て

 

幾重にも

扉はきしむ

 

ああ

汚れた手のひらに

ああ

太陽は降り注ぎ

 

南風も北風も

わからなくなる

 

砂浜の

白い貝殻が

まぶしくて

僕は微笑んだ

 

いっそのこと

海に沈んで

耳を閉ざそうか

 

いっそのこと

空に舞い込んで

目を閉ざそうか

 

雨が止み

肌寒さだけが残っている

 

こんなところで

泥酔した感情に

支配されている場合ではない

こんなところで

雨宿りしている場合ではない

 

思い出を捨てて

顔を上げると

雲の切れ目から

虹の階梯が

こぼれ出す

 

下見て歩くな

上見て歩け

たとえ転んで

傷ついたとしても

きれいな虹が見えるはず

きれいな虹を握りしめて

登っていこう

道なき道

歌っていこう

道なき道