風の前の塵
暴走するのが好きならば
暴走族かな
だけど
バイクに乗らずに
顎と人差し指だけで
人を動かす暴走者
いつもホールインワンを
達成できるって自惚れている
風変わりなプロゴルファー
あらかじめカップに
ゴルフボールが入れてあって
OBでもイケポチャでも
ガッツポーズのホールインワン
そんなことが平気でできる人
ほとんど見たことがない
でも、探せばいるんだね
髭のおじさん以外にもね
ど真ん中のストライクでも
バッターが怖い人なら
ボールって審判しないといけない
間違っているよね
だけど
間違っているって
怖くて言えないんだ
大声で叫びたいよね
あなたのしていることは
間違っているって
きっと、
平家物語は
読んだことがないんだろうね
中学校の国語の教科書に
載ってるよ
みんな、暗唱したよね
古典の勉強は大切さ
強くなるって
武道をすることなのかな
言葉を正しく学べば
もっと、ずっと
強くなれるのに
人を投げ飛ばさなくても
本を読めば強くなれるよ
アンネの日記
夜と霧
平家物語
他にも
いっぱい、いっぱい
あるんだよ
「祇園精舎の鐘の声、
諸行無常の響きあり。
沙羅双樹の花の色、
盛者必衰の理をあらはす。
奢れる人も久からず、
ただ春の夜の夢のごとし。
猛き者も遂にはほろびぬ、
ひとへに風の前の塵におなじ。」
なぜだか、
何年経っても
忘れられない一節なんだ