生きとし生けるものよ

人は何故、

生きるのでしょうか

 

生まれてきたから、

生きるのでしょうか

 

生まれてくることは

自分の意思で選択する事も

できないまま

 

生きることを

強いられるのです

 

生まれてくることは

選べない上に

生きていくことを

突きつけられるのです

 

人は何故、

生きるのでしょうか

 

だから、

そんな疑問符に戸惑うのです

 

なぜ生まれてきたのでしょう

それは訪ねてはいけないこと

かもしれません

 

本当は、

二つの疑問符があるのに

ひとつは考えても

答えは出ないのです

 

そして、残りの一つ

人は何故、

生きるのでしょうか

 

それだけを考える事が

許されているのです

 

生きているのではなく

生かされていることに

気が付くと

 

人間は

偶然の受け身と

積極的な受け身の二つ

 

他者によって

生まれ

他者によって

生かされていることを

実感するのです

 

独りぼっちで

生まれ

独りぼっちで

生きていくわけではないのです

 

生まれ、生かされる輪廻

そのメビウスの帯の中で

 

いくばくかの幸せをつかみ取り

あるいは見つけることさえ出来ず

土に帰っていくのです

 

はかなさを背負って

人間という生き物は

規則性に満ちた太鼓の

リズムを刻むのです

 

昆虫とて同じ事

生きとし生けるもの

すべてが

生まれ、生かされて

生命の時期を

過ごしているのです

 

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