白い紙

色ホワイトは

何物にも染まらない意思表示

どの道に進むのも

誰にも左右されない無限の可能性

それは個の意識

純粋という幻想を込めた約束事

おそらく

文化によって違っているだろう

日本文化では結婚式に

新婦が白無垢の着物を身につける

風習がある

この純粋な私を

新郎色に染めてくださいという

けなげな発想から来ている

現実を見ると、それは幻想

純白はケガレを覆い隠すもの

そんなに簡単に

ケガレは自分の中から

脱落させることはできない

むしろ他人を脱落させて

三分の一は法的に分離する

海外で

白い紙を掲げて反旗を翻そうと

自己主張を示すデモが

起こっているという

相手が個人ではないから

歴史を鑑みると

民衆の大きなムーブメントに発展するか

強国の体制にもみ消されて

灰になってしまうか、

何もなかったことにしておくかの三択

色彩はメッセージ性を秘めている

しかし

メッセージに色彩が

必要不可欠なものかどうかはわからない

黄色を平和のメッセージにするとか

色と主張概念を結びつけるのは

確かにわかりやすい

なるほどそうだが

色彩こそは

自分の感じたままでありたい

自分が見るままに感じるままに

ありのままにいたいと思う

古い慣習を守るなら

本当に覚悟をもって守るべきだし

新しいムーブメントを起こすなら

それに従わないからといって

蔑視しないでいてほしい

視覚に入ってくる色彩は

それを見た人のもの

記号論にすり替えることはしたくない

わたくしにとっての白い紙とは

子どもたちが

その上にシールを貼ったり、

落書きして遊ぶ、遊び場

自由に使えるスペース

公園の砂場のようなもの