真夜中の二時に

夜中の二時

地下に続く

階段を降りていた時

 

ひとりの少女があらわれた

こちらを向いてにっこり笑い

走っていった

 

そっちは危ないよと

追いかけた

廊下を垂直に曲がると

少女の姿は消えていた

 

どうしたんだろう

 

少女はいなくなっていた

悲しくもなく

恐怖感もなく

また、逢えるよと

言いたげな表情で

少女は消えてしまった

 

少女の微笑みには、未来があった

 

一年後に娘が誕生し

三歳に成長した頃

ふと、思い出した

 

あのときの少女に

シルエットが重なって見えた

 

生まれる前に

何かを確かめに

来ていたのだろうか

 

不可解な夜中の二時