秋、香る

秋という季節は

空間そのものに

香りが含まれている

 

季節そのものに

彩りが漂っている

 

夏の想い出と

冬の寒々しさを

重ね合わせるようにして

 

秋は空気が香る

 

キンモクセイのせいだろうか

 

アリたちが蓄えを持って

巣に帰ってしまったせいだろうか

 

それとも

少し肌寒さを感じ取った皮膚が

乾燥した北風と

対話しているせいだろうか

 

秋は彩りが映える

 

草木のうつろいが

色彩となって表現されている

 

ピンク色や黄色や白色の

コスモスが揺れ

気品のあるまなざしで

こちらを見ている

 

チョコレート色のコスモスが

孤高な感動を醸し出している

 

季節が変わるとき

五感が研ぎ澄まされて

 

秋は

ことさらに

人肌のぬくもりを

思い出すよう

誘惑をかけてくる

 

すべては

自然のただよい

 

人間は

自然のただよいの中で

生きている

 

秋の宿命

そして

人間の宿命