夢 日記
夜明け前
入眠して2時間ほどか
不思議な夢をみて目覚めた
映画の撮影をしているのか
現実なのかわからなかった
戦争に巻きこまれている
空爆や戦車やバスに乗った
敵のようなものから
何度も幾度も
攻撃を受け、命を狙われる
ある女性の導きで
まずは
命を落とさずに済んだ
2つの場面で
ふたりの女性に救われた
やっとのこと川を下り
ひとりの女性と別れを告げる
水に濡れた重い服のまま
街中をさまよっていると
すかさず居酒屋のような店から
確か、さきほどの川下りで
命を救ってくれた女性が手招きする
未来を見据えたように
席が用意されていた
何日間も着たきりの軍服の
ような服を濡らしたまま
食卓に着いた
食事を前にして
それを口にすることもせず
ただぼんやりと眺め
泥川を渡りきった疲労感を
振り返りながら
何かの戦争に確かに勝利した
手応えに安堵していた
何とはわからない戦いに
勝利を収め、
ボロボロになった心と身体が
スープのような食べ物の湯気に
身体ごと あたためられて
わずかの間に服が乾いてしまった
それでも新しい服に着替えて
その店を出て歩き始めた
気が付くと嵐山の渡月橋付近に
たどり着き、自分の居場所が
はっきりしてきた
渡月橋の上から、
流れの速い水面を見つめ
川の上流で戦いがあったのではないか
と振り返りはじめた
確かに何かの戦いに勝利したことを
確かめると歩き始めた
まさか生き延びるとは
思いもよらぬ出来事
自分ではなく、
他人の奇跡に遭遇した感覚を
噛みしめている
「たしか、ひとりの青年の命を助けたよね。」
「たしか、ひとりの少女の命を助けたよね。」
「人をおとしいれたり、馬鹿にしたり、せずに、
それでも、見切りをつけて
遠くへ行ってしまったわけではなく、
大切な何かを見守って
勇気を与えていたのだ」とつぶやいた
目的地はあるでもなく
ただゆっくりと
規則的に交差する足の動きに集中して、
なぜか嘲笑していた
照れくささを人に気づかれないように
薄ら笑顔をうかべて
街中へ消えていった
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